2020年1月10日午後のツイッターのトレンドワードに「ゲーム禁止」というワードがあって気になった方も多いと思います。
これは香川県議会が10日に開いた検討委員会で示めされた「高校生以下の子どもを対象に1日のゲームやネットの使用時間を平日は60分、休日は90分に制限するなど、具体的な制限が盛り込まれるゲーム依存対策条例素案」に対するもので、今大きな話題になっています。
全国放送のニュースなどでも取り上げられていくものと思われますが、罰則規定はないものの「これは如何なものか?」と各所から様々な意見が出ており、今後の展開に注目が集まっている状況。
この「ネット・ゲーム依存対策条例」が提出された経緯やこの話に深く関わってくる香川県議「大山一郎」氏の経歴などについてまとめました。
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“ネット・ゲーム依存対策条例”とは?わかりやすく!
子どものスマホ、1日60分まで - 香川県、依存症対策条例の素案t.co/1EUoCWqmRK
— 共同通信公式 (@kyodo_official) January 10, 2020
子どもがインターネットやオンラインゲーム依存症になるのを防ぐ条例制定を目指す香川県議会の検討委員会が10日開かれ、「依存症につながるようなスマートフォンの使用」は1日60分までとするルールを保護者が子どもに順守させることを盛り込んだ条例素案が示された。
罰則規定はなく、出席者からは「時間制限について実効性が不十分だ」との意見が出て引き続き検討することになった。
素案は前文で「ネットやゲームの過剰な使用は学力や体力の低下のみならず睡眠障害や引きこもりなどを引き起こすと指摘され、国内外で大きなは問題となっている」と強調している。
引用:共同通信ニュース
2020年1月10日に香川県議会の検討委員会で話し合われた「ネット・ゲーム依存対策条例(仮称)」ですが、これは香川県議会が4月に制定を目指している条例です。
すでに検討委員会では何度も話し合われており、1月10日で話し合われた素案はこれまでの議論を元に作成されました。
この素案の内容は、
となっています。
この素案が提出されるまでの流れをみていきましょう。
2019年3月「香川県議会ネット・ゲーム依存症対策議員連盟」設立
香川県で「ネット・ゲーム依存」の対策を進めていく中で「香川県議会ネット・ゲーム依存症対策議員連盟」が2019年3月8日に設立されました。
「香川県議会ネット・ゲーム依存症対策議員連盟」とは…
「子どもたちがネット・ゲームの長時間の利用により、心身や家族的・社会的な問題を引き起こすネット・ゲーム依存に陥らないために必要な対策を推進し、健全な育成を図ることを目的とした設立された香川県の議員連盟」を指します。
この「香川県議会ネット・ゲーム依存症対策議員連盟」の会長に就任したのが香川県議を5期務めている「自民党香川県政会」幹事長の“大山一郎”氏です。
その後大山氏は5月に「香川県議会議長」にも就任されました。
「国と地方の協議の場」での発言
2019年10月31日(木) に行われた「国と地方の協議の場(令和元年度第2回)」における協議で、”全国都道府県議会議長会理事(代理人)”として出席した香川県議会議長の大山一郎氏の発言をご覧ください。
最近の研究ではゲームをしたときと 覚醒剤を一定量投与したときと同じであるという研究結果まで出てきている わけでございます。昔はテレビゲームとかポータブルゲームとか、親が管理 のきく範囲内でのゲームが主流でありましたけれども、現在は、皆様方御存 じのとおり、スマートフォンというものが大量に出回っておりまして、この スマートフォンは完全にインターネットと同じ機能を持っておりますので、 これを子供たちが持つことによって、その中にオンラインゲームというもの が潜んでおりまして、これが依存症の大きな原因になっておりまして、これ は今までのゲームではなくて、子供たちがベッドルームまで、自分の寝室ま で持っていく。それで依存症になっていって、24時間ずっとオンラインゲー ムをやる。ですから、昼夜が逆転するとか、それから、暴力性が強くなると か、依存症でありますから、色々な問題が出てくるわけであります。
〜中略〜
香川県では、これに対して条例を制定して、全国で初めてこれに対する対策を取ろうというふうに思っておりますので、国の方もできれば法制を含めて、色々なところで御支援をよろしくお願い申し上げたいと思います。
大山一郎氏は上記の通り「国と地方の協議の場(令和元年度第2回)」における協議内で「香川県では条例制定を考えている」と明言されています
以降、香川県議で検討委員会が設けられ、そこで「ネット・ゲーム依存対策条例(仮称)の制定」に向けて話し合いが進められてきました。
2020年1月10日現在までの大まかな話の流れは以上となります。
今後については、「実効性」や「課金システムへの対応」などの意見を反映させた素案を作り直し、1月中にパブリックコメントを幅広く求めていく方針とのことです。
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大山一郎の経歴やプロフィール
大山一郎氏の経歴をまとめますと
- 平成15年 県議会 / 初当選
- 平成23年 総合防災対策特別委員長
- 平成24年 行財政改革特別委員長
- 平成25年 経済常任委員長
- 平成27年 文教厚生常任委員長
- 平成29年 総務常任委員長
- 平成30年 県立体育館整備等に関わる特別委員会 委員長
- 令和 元年 第91代 香川県議会議長
と順調にキャリアを積んでらっしゃるのがわかります。
平成28年からは香川県議会「自民党香川県政会」の幹事長も務めており、まさに香川自民党の重鎮と言って差し支えないでしょう。
2019年4月に行われた統一地方選での当選後の抱負では「教育県香川の復活、家族の絆を守れる福祉政策の推進、景気対策の大幅な見直しに取り組む。」と語っており、特に教育に力を入れているのがわかります。
「国と地方の協議の場」の発言などを鑑みると、ネット・ゲーム依存対策条例(仮称)は大山氏主導で行われているようにも思うのですが、その辺に関しては追い追いマスコミが新しい情報なども交えて報道してくれることでしょう。
ネット・ゲーム依存対策条例への評価
前から懸念していた香川県ゲーム利用制限条例、いよいよ現実に。ゲーム依存症対策とする条例、依存症外の人にも幅広く90分以内、夜も制限、親にも義務を課すのは誰の何の為なのか甚だ疑問!香川県民の方は是非県にパブリックコメントを!今後他府県や国への波及も懸念されますt.co/CSyHncBDQI
— 山田太郎 ⋈(参議院議員・全国比例) (@yamadataro43) January 10, 2020
確かにこりゃダメだ。意味不明。テレビ番組や将棋、カードゲームはいいの?なぜ60分90分?影響も時間設定も科学的医学的根拠薄すぎるし、抑も自治体が「責務」で定めるものでもない。糖尿病が多い香川県、うどん食う回数を3日に1食と条例で規制しろとかと同レベル。
>県条例素案にゲーム利用時間制限 t.co/I2wNuG50tb— 丸山 穂高 (@maruyamahodaka) January 10, 2020
驚くほど前時代的発想であり、政策として甚だ疑問。県議会で適切に修正されることを願います。 / 県条例素案にゲーム利用時間制限 (NHKニュース) #NewsPicks t.co/SxqqdHVqlc
— 音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選出) (@otokita) January 10, 2020
特に罰則規定など無いらしいが、親が子供のゲーム時間を規制するのに、『法律で決まってるんだよ!』って言えば話聞いてもらえるかも!って事? それでいけたら苦労は無いよ😭#ゲーム禁止
県条例素案にゲーム利用時間制限|NHK 香川県のニュース t.co/PJb9Gmuae3
— 白石 稔 (@minorunba69) January 10, 2020
2021年からプログラミングが必修となりますし、最近では塾や予備校もオンライン授業の時代になっています。
「ゲーム」という括りを外しても子供達がネットに触れる時間は嫌が応にも増していくわけですから、「実現性」という部分に関して疑問が出てくるのは当然の帰結でしょう。
この香川県議会の検討委員会に提出された条例は一体どうなるのか注視していきたいと思います。
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