「参加することに意義がある」というクーベルタン男爵の言葉を皆さん一度は聞いた事が有ると思います。
正確に言うと、
「オリンピックは、勝つことではなく参加することにこそ意義がある」
という言葉であり、
聖公会のペンシルベニア大主教であるエセルバート・タルボットの言葉を引用したそうですが、
どちらにせよ、「勝つ事だけが全てではない」というスポーツの理念の1つを表す素敵な言葉ですよね。
その言葉をまさに体現した選手が2000年シドニーオリンピックに出場していたのをご存知でしょうか?
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▽100mを初めて泳いだ!?エリック・ムサンバニ選手▽
選手の名前は
エリック・ムサンバニ

愛称は「うなぎのエリック 」。
赤道ギニア共和国の2002年シドニーオリンピック水泳代表選手です。
といっても、ムサンバニさんは生粋の水泳選手というわけではなく、元々「バスケットボールをしていた人」でした。
選手・・・というより「経験者」に近いと思います。
そもそも論で、赤道ギニア共和国は国そのものが貧しくて「スポーツ選手を育成するような施設がない」という状況。
当然施設がないので水泳競技はありませんでしたし、水泳選手はいませんでした。
こういった国の状況を世界に示す為にも、
「オリンピックに選手をだして国の現状を知ってもらおう」
と国の幹部が考えました。
オリンピック水泳競技には
「各国男女一人ずつ特別出場枠を設ける」というルールがあり、
それを使い100m自由形に選手を一人派遣することになりました。
そこで選ばれたのがエリック・ムサンバニさん
ほとんど泳いだ事なかったそうです^^;
よく引き受けたなって思いますよね。
「国の為」って思いも強かったようです。
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そこからムサンバニ選手は猛練習・・・という訳もいきませんでした。
なぜなら先ほど書いたように「練習施設がない」という致命的な状況だったからです。
練習はどこでやったかというと、
ホテルの17mプールで一日数時間
オリンピックに出場する選手が練習する場所ではないですよね^^;
こんな状況でシドニーオリンピックを迎えたムサンバニ選手
そのレース動画がこちら!
動画で触れられている通り、
タイムの遅い選手3人のレースでした。
フライングで失格した2人は明らかに棄権です。
そんな中一人で泳ぐ事になったムサンバニ選手。
ムサンバニ選手は100mを泳いだ事がなく、
ラスト30mは溺れるように泳いでなんとかゴールします。
タイムは1分52秒72
当時のの100m世界記録は48秒18はですから、1分以上も遅かったんです。
それでも、泳ぎきったムサンバニ選手は世界的に注目される事になり、
マスコミのインタビューによって厳しい練習環境が知られると、様々なスポンサーが付くようになりました。
その後は「川」で練習を重ねて、2004年アテネオリンピックを目指しますが、ビザの関係でアテネオリンピックの出場は叶わなかったですが、
持ちタイムを57秒まで伸ばしました。
1分もタイムを短縮するんですから、元々才能はあったのかもしれませんね。
この活躍によって赤道ギニア共和国のスポーツ事情は大きく変わったそうです。
詳しい内容は
29日放送のフジテレビ系「岡村隆史のスポーツワイドショー」
で放送されるとのことです。
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